付加価値

インコネルは高強度、高耐蝕性を持ったNi基合金で、航空宇宙産業の分野でよく使用されています。インコネル製の複雑な部品のフライス加工は、材料の高い引張り強さのために工具がすぐに摩耗してしまいます。摩耗や欠け、折損などが生じるため、高難易度かつコストのかかる加工プロセスとなっています。

「クリーン」な部品加工のソリューション

一般的に、溝なしタップによる加工は、被削材の塑性変形という特性を利用してねじ山を成形します。切りくずが生じないため、溝なしタップによる加工はクリーンで卓越した加工方法とされています。切削タップと比べて、長い工具寿命が得られ、ねじ長の深い加工でも信頼性の高い加工を行うことができます。

3つの利点

ドイツのレヒガウに所在するStickel GmbH社は、鋼、アルミニウム合金、ステンレス鋼製の高度な板金成形部品やアセンブリーの試作および量産加工を行っているメーカです。およそ100名の従業員で構成される同社は、欧州の主要な大手自動車メーカにサービスを提供するため最新の機械と設備を備えています。Stickel GmbH社は、ボディ、エンジン、シャーシに加え、すでに生産中止となったスペアパーツやアセンブリーなどの製造分野で最長1,200 mmの中小構造部品を生産するという強みを持っています。

高送り、 高品質、そして 高精度が求められる切削

長さ80mm で1.2379 工具鋼でのシートメタル刻印ローラーのエンボス加工を含む製造工程です。一見しただけでは、この部品の生産には厳格さは求められず、困難も伴わないように思えます。しかし、細部の加工がとても難しいのです。0.01mm の許容誤差を保ちながら、24時間にわたって連続して加工しなければならないか為です。直径が小さいエンボス加工では、ローラーの穴がすき間なく配置されており、そのために高い送り速度が実現できません。

生産性向上への近道

最新の機械を採用すれば、高い品質や効率性を容易に実現できることは確かです。しかし、すべての企業が投資を行えるわけではなく、またさまざまな制約があり投資できる機械の台数も限られたりします。

リードタイムの短縮、費用効率の改善

機械や加工にあまり負担がかからないのは良いことですが、弊社にとってはさほど重要ではありません。弊社のロットサイズでは、切削速度を最大化する必要はあまりないのです。工具の交換や折損が減れば、機械のリードタイムが格段に少なくなるので、信頼性が高いことのほうが重要です。