工具の再研磨・再コーティングと超硬リサイクルによるサステナビリティの向上
蔭山 正敏 | オーエスジー株式会社
オーエスジーは、責任ある製品を提供するグローバル企業として、地球と社会のために尽力しています。環境負荷を低減するため、オーエスジーグループ全体で、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減、汚染の防止、超硬リサイクルに関する取り組みを積極的に行っています。
オーエスジーの再研磨・再コーティングは、事業活動における省資源化の推進とエネルギー効率向上の一環として実施されています。
Figure 1. 再研磨・再コーティングのプロセス

工具の再研磨・再コーティングを行う1番のメリットは、毎回新品の工具を購入する場合と比較して工具費用を大幅に削減できることです。多くの企業がドリルの再研磨を行っていますが、工具性能を重視した再研磨は、大幅なコストダウンが可能であるにもかかわらずあまり検討されていないのが現状です。本取り組みは、毎年大幅なコストダウンを実現するだけでなく、環境にも優しく持続可能な活動です。
Figure 2. 工具の再研磨だけで大きなコストダウンが可能

Figure 3. 3枚刃ドリルの再研磨・再コーティング前後の刃先状態。摩耗した工具を低コストで新品同等性能に再生する高い技術と専門知識を駆使して対応。経済性が高く、環境にも優しい。

オーエスジーは、総合切削工具メーカとして、超硬工具、ハイス工具、PCD工具、転造ダイス、特殊品など、さまざまな製品の再研磨と再コーティングに対応します。当社が提供するこれらのサービスは、使用済みの工具を新品同等性能に蘇らせます。再研磨・再コーティング部門は、すべての工程でオーエスジー独自の製造図面を使用します。また、オーエスジーグループ各社は、品質管理マニュアルを遵守し、検査工程では製造部門が使用するものと同じ検査機器を使用します。世界14カ国に再研磨・再コーティングに対応する工場を持ち、世界中のお客様のニーズにお応えしています。
さらに、再研磨時にお客様のご要望に合わせて最適な刃先仕様にカスタマイズするサービスも提供しています。
Figure 4. 穴あけ時の抜けバリ対策を行った刃先のカスタマイズ例。

さらに、再研磨ができなくなった超硬工具は、オーエスジーグループ会社の「超硬リサイクル」サービスを活用することができます。超硬合金には、レアメタルが多く含まれており、リサイクルすることで材料の消費を抑え、環境保全に貢献します。

再研磨ができなくなった超硬工具は、オーエスジーのグループ会社である日本ハードメタルの超硬リサイクル活動を通じてリサイクルすることができます。
再研磨・再コーティング と オーエスジーのサステナビリティへの取り組みの詳細をご覧ください。

グループ会社のご紹介: 株式会社青山製作所
オーエスジーは、切削工具の世界的トップメーカとして、使用済みの工具を新品同等の性能に再生する独自の技術を持っています。日本では、グループ会社の株式会社青山製作所が、タップ、ドリル、エンドミルなどの超硬・ハイス工具、特殊工具の再研磨・再コーティングに対応しています。オーエスジー製品だけでなく、他社製工具の再研磨も可能です。また、ご要望に応じて、工具のカスタマイズも承ります。

青山製作所の本社は、愛知県豊川市にあるオーエスジーアカデミーに隣接しています。

機械の前で撮影するオペレーターたち
青山製作所は1986年にオーエスジー株式会社のグループ会社となり、その3年後、本社と生産工場を愛知県豊川市に移転しました。現在、従業員数は約80名で、工具の再研磨やカスタマイズに加え、バンドソーや丸鋸刃、ビットの製造・販売も行っています。

左から、バンドソー、ビット。青山製作所では、工具の再研磨やカスタマイズのほか、バンドソー、丸鋸刃、ビットの製造・販売を専門に行っています。

青山製作所では、タップ、ドリル、エンドミルなどの超硬・ハイス工具、特殊工具の再研磨・再コーティングに対応しています。

青山製作所 代表取締役 押野昌宏
代表取締役 押野昌宏は、「オーエスジーグループの一員として、お客様のために常に最適な製品をお届けできるよう努力しています。これからも高能率、高精度、長寿命な製品で、世界の製造業を支えていきます」と語ります。
株式会社青山製作所の詳細をご覧ください
オリジナルドリップコーヒー
青山製作所では毎年、特別なお客様にお渡しするノベルティを製作しています。中でも有名なのは、オリジナルのドリップコーヒーです。

青山製作所オリジナルのドリップコーヒー。
押野は、ボールペンやマグカップといったよく見かけるノベルティではなく、お客様に喜んでいただけるユニークで印象的なものを作りたいと考えていました。
「ボールペンのように捨てられてしまうかもしれないものをお客様にお渡ししたくはありませんでした。責任ある企業として、環境に与える影響の一つひとつに配慮しなければなりません。」と押野は語ります。

オフィスで来客にコーヒーを淹れる社長の押野。
コーヒー好きの押野は、ドリップコーヒーが実用的でユニークなノベルティになると考え、2017年3月、青山製作所が本社を置く愛知県豊川市のコーヒー専門店とコラボし、初のオリジナルドリップコーヒーを製作しました。青山製作所のドリップコーヒーバッグは、「スペシャルティコーヒー」というランクの高いコーヒー豆のみを使用し、ユニークさだけでなく、質と味の良さも兼ね備えたノベルティとなっています。それから6年以上が経ち、青山製作所ではグアテマラ、ブラジル、エチオピア、インドネシアのコーヒー豆を使った12種類のドリップコーヒーをノベルティとしてお客様にお渡ししてきました。
「ボールペンが会話のきっかけになることはあまりありませんが、コーヒーなら話題のひとつになります。コーヒーを飲むと人と人とのつながりができ、会話が弾みます。」と押野は語ります。
オーエスジーグループ
オーエスジーは、タップ、ハイスドリル・エンドミル、超硬ドリル・エンドミル、転造ダイス・ねじゲージ、コーティング、工作機械など、それぞれ専用の生産設備を保有しています。また、各分野に特化した国内グループ会社によって様々なお客様のニーズにお応えしています。国内グループ各社は、それぞれ独自の専門技術に特化した製品の製造・販売を行っています。超硬素材から工具の製造、コーティング、再研磨、機械の販売など、幅広い商品ラインナップでお客様の加工環境に合わせた多種多様なサービスを提供しています。
世界33カ国、65以上の事業所からなるグローバルネットワークでお客様のニーズを的確に生産現場にフィードバックし、ニーズに合った製品を迅速に設計・開発・生産・納入しています。
オーエスジーグループ会社の詳細をご覧ください。
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