3 倍の生産性

3 枚刃油穴付き超硬ドリルADO-TRS が風力発電機部品製造において送り速度 3 倍、工具寿命 2 倍を実現

Peter Cramer Jensen | OSG Scandinavia

オーエスジー製品は、様々な分野で生産性向上に貢献しより良い成果をもたらします。OSG Scandinavia は、自動車、金型、航空宇宙産業だけでなく、大型部品や難削材で作られる発電用金属部品の切削においても、高性能な工具を最適な提案によりサポートします。

金属加工におけるトータルソリューションを提供する ECM Industries A/S は、昨今、風力発電用部品の製造においてオーエスジーより穴あけ技術のサポートを受けました。1977 年に設立された同社は、デンマーク エグトベド 近郊の Øster Starup に位置しています。ECM Industries社は数十年の経験を経る中で、小さな鍛造会社から約 100 人の従業員を抱える中堅企業に成長し、市場の変化に対応する最適なソリューションを提供するため、製品開発への投資を継続的に行っています。

1977 年に設立されたECM Industries 社は、デンマーク エグトベド 近郊のØster Starupに位置しています。金属加工におけるトータルソリューションを提供する同社は、小さな鍛造会社から約 100 人の従業員を抱える中堅企業へと成長し、市場の変化に対応する最適なソリューションを提供するため、製品開発への投資を継続的に行っています。

ここ数年の間、ECM Industries 社は生産ラインの大規模な見直しを行いました。その中で、すべての工具性能を最適化するため、精度の高い工具プリセットが可能な Zoller 社のツールプリセッタを導入し、工具の使用状況について詳しく分析できるようになりました。これは大量生産を行う生産ラインにとって、とても重要なことです。ECM Industries 社と長年のビジネスパートナーである OSG Scandinavia は、加工に関するの詳細情報をもとに、工具性能を最大限発揮するための提案を行っています。

風力発電用部品は 低炭素鋼 ST52-3(JIS SS490)で作られており、年間の生産量は、約 5,000 個です。部品1つにつき、直径 18mm、穴深さ 25mm の貫通穴を 5 か所加工する必要があります。

ECM Industries 社の購買担当である Kasper Sørensen 氏は、風力発電用部品の大量受注と機械加工をする部品数の増加に伴い、生産性を向上させるため OSG Scandinavia のセールスエンジニア Morten Larsen に相談しました。風力発電用部品は 低炭素鋼 ST 52-3(JIS SS490)で作られており、年間の生産量は約 5,000 個です。部品1つにつき、直径 18mm、穴深さ 25mmの通り穴を 5 か所加工する必要があり、DN ソリューションズ社製 VC510 立形マシニングセンタ(BT40)で 7.5%の水溶性切削油剤を用いて加工しています。ECM Industries 社は当初、この加工に他社の 2 枚刃油穴付き超硬ドリルを使用していました。Larsen はアプリケーションを詳細に調査し、オーエスジーの 3 枚刃油穴付き超硬ドリル ADO-TRS-3D(EDP#8721800)φ 18 を提案しました。

ADO-TRS は、幅広い被削材で高能率加工を実現するオーエスジーの最新工具のひとつです。3枚刃ドリルの一般的な課題である高いスラストと切りくず排出性を解決します。それは、「Triple Revolution」と呼ばれ、3 枚刃ドリルの新たなるスタンダードを確立しました。

ADO-TRS は、幅広い被削材で高能率加工を実現するオーエスジーの最新工具のひとつです。直径 3mm~20mm まで、加工深さ 3D・5D タイプをラインナップし、炭素鋼、合金鋼、軟鋼、鋳鉄、焼入れ鋼など幅広い被削材の加工に適しています。

ADO-TRS は、2 枚刃のドリルに比べてバランスが良く、真円度、穴位置精度に優れています。また、高送り加工を可能とし、高い送り量で加工することで被削材と切れ刃の接触長さを短く でき、被削材との擦りによる加工硬化を抑制できます。ADO-TRS は直径 3mm~20mm まで、加工深さ 3D・5D タイプをラインナップし、炭素鋼、合金鋼、軟鋼、鋳鉄、焼入れ鋼など幅広い被削材の加工に適しています。

OSG の ADO-TRS は、Zoller 社のツールプリセッターによって、使用状況を詳しく管理されています。

他社の 2 枚刃ドリルは、切削速度 120m/min(2,122min⁻¹)、送り 460mm/min(0.22mm/rev)で使用されていました。これに対し 3 枚刃ドリル ADO-TRS は、切削速度 120 m/min(2,122 min⁻¹)、送り速度 1,485 mm/min(0.7 mm/rev)と、3 倍以上の送り速度で加工すること ができます。さらに、工具寿命は 2 倍以上となりました。

「大量生産には ADO-TRS が適しています。以前と比べ、送り速度を 3 倍に、工具寿命を 2 倍以上にすることができました。高性能な工具を選定し、その性能を引き出す環境を整えることは、生産性の向上と大きなコストダウンにつながります。ダウンタイムの大幅な短縮に加え、品質も向上しており、お客様もそれを実感されています。」と Sørensen 氏は述べています。

ADO-TRS は 100m以上加工したのち、再研磨にまわされます。オーエスジーでは、精密な再研磨サービスを提供しています。使用済みの超硬ドリルはオーエスジーの日本工場で何度も再研磨され、新品同等性能に蘇らせることで長期間にわたって安定した性能を発揮することができると、Sørensen 氏は特に熱く語りました。

ECM Industries 社はクライアントである外資系の風力発電機メーカーから、当初 3 種類の部品の生産受注しか受けていませんでしたが ADO-TRS を採用することで品質と生産性の向上を実現し、3 種類から 12 種類まで受注を増やすことができました。ECM Industries 社では、今後さらに仕事の数が増えていくことを期待しています。

右から ECM Industries 社の研修生 Asker Jaedicke Christiansen と、OSG Scandinaviaのセールスエンジニア Morten Larsen。デンマーク エグトベドの ECM Industries 社 生産工場にて写真撮影が行われました。

生産性向上のための新しい加工技術は、ECM Industries 社にとって非常に重要です。2021 年秋に OSG Scandinavia は、ECM Industries 社に対し穴加工に関する社内トレーニングと ECM Industries 社の機械を用いたデモ加工を行いました。

「トレーニングでは、その場で工具と切削条件を評価し、穴加工プロセスの最適化を直接学ぶことができました。オーエスジーの新しいイノベーションは我々にとって重要であり、パートナーシップを高く評価しています」と Sørensen 氏は述べています。

ECM Industries 社と OSG Scandinaviaオーエスジーの 3 枚刃油穴付き超硬ドリル ADO-TRS の詳細