3刃アルミニウム合金用超硬エンドミルエキストラロングタイプ
航空機部品の製造において、AERO-EXTLがサイクルタイムの改善と優れた表面仕上げ加工を実現
齊藤善幸、OSG Thai Co., Ltd.
2005年にWeston SEAとして設立したSenior Aerospace Thailand社(以下、「Senior Aerospace社」と表記)は、2014年に現在の社名に変更しました。Senior Aerospace社は、民間航空宇宙産業の市場向けに複雑な精密部品を製造し、組み立てを行っているメーカです。主に、ブレード、アルミニウムや難削材の部品、航空機座席の部品などを製造しています。

写真提供: Senior Aerospace社
560名の従業員を擁するSenior Aerospace社は、タイのチョンブリー県シーラーチャー郡を拠点とし、製造施設の床面積はおよそ22,000m2に及びます。

完成した座席の部品。一般的に、Senior Aerospace社が生産する部品はすべてアルミビレットを複雑な形状に機械加工し、熱処理後、精密に組み立てられます。写真提供: Senior Aerospace社
Senior Aerospace社は、航空宇宙、防衛、陸上車両、エネルギーの各市場に向けて先端技術による部品やシステムを専門的に生産しているグローバル企業、Senior plc.の子会社です。1933年に英国で設立したSenior plc.は、現在約7,500名の従業員を擁し、世界14カ国で事業を展開しています。
近年、Senior Aerospace社はアルミニウム合金や難削材のエンジンや航空機座席部品の製造において工具性能向上の可能性を模索していました。Senior Aerospace社が目指していたのは、サイクルタイムと品質の向上でした。

(左から)Senior Aerospace社のエンジニアであるNarinchot WiwatchaiyachanとThanawan Desunthiaは、エンジンおよび航空機座席部品の製作を担当しています。
機密保持の観点から、生産量、部品の品質、具体的な加工条件といった詳細を述べることはできません。しかし、およそ5年間にわたり、Mazakのマシニングセンタを使用してこのような部品を製造してきました。これらの部品を製造するには、荒加工から仕上げ加工までの側面切削が必要となります。Senior Aerospace社は当初、欧州のメーカ2社、ならびにタイの複数メーカの切削工具を使用していました。オーエスジーはこれらの加工を評価する機会を与えられ、3刃アルミニウム合金用超硬エンドミルエキストラロングタイプAERO-EXTLをSenior Aerospace社に提案しました。

AERO-EXTLは、アルミニウム高速加工用AEROエンドミルシリーズのうちの一つです。AEROシリーズは、80kWを超える高出力機械に最適で、高出力機械の能力を最大限に引き出すことができるように設計されています。AEROシリーズは、アルミニウム合金製の大型航空機部品の高能率加工に適しています。また、AERO-EXTLはシャープなエッジで鋭い切れ味を実現するとともに最適な溝形状でスムーズな切りくず排出性を可能にします。さらに、DLCコーティングの表面の平滑さにより、耐溶接性と潤滑性が求められるアルミニウム合金において抜群の威力を発揮します。また薄膜仕様により鋭い刃先を実現し、高能率加工においても優れた仕上げ面が得られます。

オーエスジーの3刃アルミニウム合金用超硬エンドミルエキストラロングタイプAERO-EXTLは、高能率条件下でもアルミニウム合金加工において優れた表面仕上げ加工を実現します。
加工面精度に関して詳細なデータを明らかにすることはできませんが、Senior Aerospace社はオーエスジーのAERO-EXTLに対して非常に満足しており、他の切削工具ではこのような優れた成果を得ることができなかったとコメントしています。

(右から)オーエスジーの営業責任者であるSuwimon Khamtornが、Senior Aerospace社のエンジニアであるNarinchot Wiwatchaiyachanに新しいツーリングソリューションについて説明している様子。
詳細については、Senior Aerospaceをご覧ください。
また、オーエスジーのAERO超硬エンドミルシリーズの詳細もご覧ください。
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