中国におけるオーエスジーの歯科用ソリューション

現代の義歯製造に最適化されたカスタマイズ可能な、高品質の工具イノベーション

グ・ユンジ、オーエスジー上海

歯は人体の主要な器官ではありませんが、生まれてから高齢になるまで何十年間も付き合うことになるものです。歯の状態は日々の食生活に影響するだけでなく、身体の健康にも影響を与えます。近年、中国の急速な経済発展により、生活の質に対する興味は30年前と比べて大きく高まっています。そして、生活水準が向上するにつれて、歯科サービスの需要も高まります。中国の歯科業界の成長の原動力となっている要因には、高齢化、口腔衛生や美容歯科に対する意識の高まり、歯科医院の利用しやすさの改善、保存修復学における技術的進歩などがあります。中国は大きな人口を抱える国のため、歯科産業と歯科用機械加工メーカは、新たなビジネスチャンスの波を迎えています。

義歯加工の主な材料

中国では、主に3つの材料が義歯加工に使われています。ジルコニアセラミック、ガラスセラミック、金属(チタン合金、コバルトクロム合金)です。

ジルコニアセラミック

3つの主な材料のうち、中国では安価かつ熱処理後に高い硬度を持つジルコニアが最も広く使われています。ジルコニアの加工上の特徴は、水を使わないことです。ジルコニアは粉になりやすく、加工中に熱が発生しにくいため、比較的加工が容易な材料です。今、中国で主流となっているジルコニアの加工方法は、コーティングされていない超硬工具を使う方法です。この加工方法では、工具の平均寿命はおよそ歯500個分となります。

オーエスジーのDLCコーティングエンドミルは、ジルコニアの加工で特に威力を発揮します。DLCコーティングの特長である低摩擦係数がもたらす優れた耐摩耗性は、工具の安定した長寿命を実現します。実際、オーエスジーのDLCコーティングエンドミルを採用することで、平均工具寿命は、現地の歯科用工具の3倍となる、歯約1,500個分まで改善されるのです。

ガラスセラミック

ガラスセラミック製品は、加工後に熱処理を行わずに使用できます。色は研磨後、純白色になるため、ガラスセラミック製の義歯は見た目がとても美しく、自然になります。ガラスセラミックはジルコニアよりもはるかに高価ですが、美しさが重視されるようになるにつれて、需要は徐々に増加しています。数年後には、ジルコニアの地位は美しいガラスセラミックに取って代わられるのではないかとも予想されています。

通常のエンドミルでは、ガラスセラミックの加工に必要な要件を満たすことができません。しかし、現地中国の工具メーカが提供できる主な強みは、その競争力の高い価格です。ジルコニアからガラスセラミックに関心を向ける歯科用工具メーカも増えてきており、平均工具寿命が義歯約20個分である独自の電着ダイヤモンド工具を開発しています。

オーエスジーの電着ダイヤモンド工具は、高速加工と長い工具寿命により、ガラスセラミック製品において特に優れた性能を発揮します。使用環境と切削条件によって結果は変わる場合がありますが、オーエスジーの電着ダイヤモンド工具は、1工具当たり平均25個から32個の義歯を仕上げることができるのです。

金属

中国では現在、インプラントはすべて純チタンで作られています。インプラントアバットメントの加工には、スレッドミル、ボールエンドミル、フラットエンドミルやフラットドリルなど、さまざまな切削工具が使われます。1個のインプラントアバットメントを仕上げるには、およそ8個から9個の工具が必要になります。人の歯はそれぞれ異なるため、金属製の義歯は非標準部品です。その結果、義歯は大型の産業用機械を用いて大量生産されるというよりは、小型の歯科用加工機を用いて加工されます。一般に、標準的な歯科用ディスク(98 mm)を1枚加工するのに約8時間かかります。オーエスジーのWXL・WXSエンドミルシリーズは、チタンおよびコバルトクロム製の歯科用製品の加工に特に適しています。オーエスジーのWXL・WXSシリーズは、高硬度材の加工および高速加工用に設計された高性能超硬エンドミルです。これらのエンドミルは、オーエスジーが特許を持つWXL・WXSナノコーティング技術を採用しており、ラジアス、ボールエンド、ロングネック、強ねじれ刃、テーパなど、さまざまな型を取りそろえています。社内切削試験の結果では、オーエスジーのWXL・WXSエンドミルは、標準的な歯科用ディスク2枚を加工できることが証明されました。これは、現地メーカ製工具の寿命の2倍になります。

オーエスジーの歯科用工具ラインナップは、コバルトクロム、チタン、酸化ジルコニウム、鋳造用WAX、PMMA、ガラスセラミックといった一般的な歯科用材料向けに設計された、独自のコーティングと工具形状を備えています。

「品質の継続性と、豊富な歯科技術情報、そして強力な世界的ネットワーク。これらがオーエスジーの歯科用工具の3つの主な強みです」とオーエスジーの歯科用工具マネージャー、久保田祐介は言います。

技術的なサポートを提供できるオーエスジーの歯科用工具エンジニアは、中国だけでなく、欧州、北米、南アジア、日本、そしてブラジルにもいます。各国の顧客のニーズを効果的にチェックし、対応する体制が整っています。さらに、日本のオーエスジー本社では、変化するニーズに対応するため、最新の歯科用材料を評価する切削試験が頻繁に行われています。

「Made in Japanの品質はお客様から高く評価されています」と久保田は言います。「歯科用CAD / CAMシステム対応の工具を、世界のどこでも同品質で購入いただけます。」

幅広い工具のラインナップと効果的なサポートのネットワークにより、オーエスジーは世界の歯科用製品メーカに、あらゆる加工に合わせた高品質かつカスタマイズ可能な工具ソリューションを提供できます。