PSE カッタでフライス加工効率が200% 以上向上
Haron Garcia | OSG Royco
航空機、電車、船舶、発電機には共通点が1つあります。それは、ガスタービンで動くということです。ガスタービンは燃焼タービンとも呼ばれ、燃料の化学エネルギーを機械エネルギーに変換することによって回転運動を発生させます。タービンのスピン運動により発電機を動かして、エネルギーを電力に変換することで動力を生み出します。
ガスタービンの設計は、最も望ましいエネルギー形態を最大化するように、目的に応じてカスタマイズされます。航空機産業用のガスタービンを製造するときには一般に、高硬度材料を加工する必要があり、厳しい公差要件が設定されます。
メキシコのグアイマスにあるパラダイム・プレシジョン社の製造工場では、航空宇宙ガスタービンの部品を毎日製造しています。パラダイム・プレシジョン社は米国フロリダ州スチュアートに本社を置き、ガスタービンエンジンに関わる複雑な製造を担い、精密部品を加工する製造業者です。主に、航空宇宙、陸上発電、海洋産業を対象とした、レーザー処理、気流測定、遮熱コーティング、放電加工、精密加工を行っています。同社は7 か国、12 か所で操業し、1,900 人以上の従業員を抱えています。パラダイム・プレシジョン社のメキシコ、グアイマス工場は、最大で直径6 フィートの部品を加工する能力を持ち、3、4、5 軸のフライス加工、旋削、ワイヤ放電加工を行い、筋かい/ ブリッジ、ファンケース、圧縮機ハウジング、分割ケースの製造を専門としています。

写真提供:パラダイム・プレシジョン社
オーエスジーはパラダイム・プレシジョン社の技術者から、Rene 41(40 HRC)のタービン部品を1 か月あたり約1,700 個の生産量で加工することについて相談を受けました。パラダイム・プレシジョン社は当社に相談するまでのおよそ2 か月間にわたって、HAAS 横型マシニングセンタで部品を加工しており、さらにサイクル時間を減らすことを目指していました。Rene 41 の各プレートの大きさは、70 mm x 203 mm x 25.4 mm であり、公差要件は± 0.3 mm です。材料の公差と硬度が厳しいため、パラダイム・プレシジョン社は他社の工具を使用して2段階で正面フライス加工する必要がありました。この工程には約4 分のサイクル時間が必要でした。パラダイム・プレシジョン社は当時から、新しい材料の加工にはオーエスジーのドリルとタップを使用していましたが、フライス加工についても新たな解決策を求めていました。
用途を詳細に検討した後、直径3 インチのOSG PHOENIX肩削りカッタPSE(EDP 7801213)とXC5040 インサート(EDP 7816056)をお勧めしました。PSE は、さまざまな切削条件で優れた性能を発揮するように設計された万能インデキサブルシリーズです。その高精度かつ独自形状のインサートを使用することにより、切りくずが小片に分断され、側面フライス加工、溝加工、ランピング加工、ヘリカル加工を効率良く実施できます。

PSE で部品に正面フライス加工と側面フライス加工を施すことで、完璧な仕上がりが得られました。さらに、HAAS 横型マシニングセンタで切削油剤にBlasomill 油を使用することで、240 秒だったサイクル時間がわずか82秒となり、約1/3 に短縮することができました。


パラダイム・プレシジョン社は、以前は1 時間あたり12 個の部品を加工していましたが、サイクル時間を大幅に短縮することで、今では1 時間あたり34 個になりました。さらに、オペレータ時間は以前の7 時間から2.5 時間まで大幅に低下しました。パラダイム・プレシジョン社は製造時間を1 日4 時間以上削減でき、生産性が200% 以上向上したことから、新たな高みに挑戦しようとしています。
You must be logged in to post a comment.