OSG Royco によるOSG EX-CELL-O GmbHスプライン転造盤を用いた世界的な駆動システムメーカとのCVジョイント試作開発
Omar Albarrán and Ana Karina Regalado | OSG Royco
等速ジョイント(CVジョイント)は、すべての自動車に不可欠な機能を果たしています。CVジョイントは、トランスミッションとホイールハブをつなぐドライブシャフトに取り付けられている機械的なカップリングです。CVジョイントは、ドライブシャフトが作動する角度に関係なく、一定の回転速度を提供する役割を担っています。高品質のCVジョイントは、滑らかで静かな乗り心地を実現し、車の性能と安全性に直接影響します。

メキシコ、グアナファト州セラヤにあるGKN社の製造工場。
1759年に設立された、GKN Automotive社(以下 GKN社)の本社はイギリス ロンドンに位置し、電気駆動システムのパイオニアであり、世界有数のグローバルカンパニーです。同社は、CVジョイントの製造を1960年代から開始し、自動車産業へと多角化したCVジョイントの世界最初の最大メーカです。同社の技術開発は、前輪駆動車の実現と4輪駆動システムの効率化を可能にした、高性能eDriveシステムの開発を継続的に進めています。GKN社によると、世界の自動車メーカの約90%に同社が改良・改善を進めているドライブラインシステムとePowertrainテクノロジーを供給しています。同社の主要製品は、サイドシャフト、CVジョイント、ドライブシャフトブーツ、プロペラシャフト、サスペンションスプリング、ステアリングコンポーネント、eDriveシステムなどです。現在の従業員数は、世界各国に25,000名以上であり、21カ国に48の製造拠点と6つの技術センタを展開し、現地でのサプライチェーンと世界最高水準のテクニカル・サポートが顧客の利益にもつながっています。
CVジョイントと転造加工

左から、CVジョイントのドライブシャフト2本とハーフシャフト。転造加工によりスプラインが形成されたシャフト。
GKN社が製造するCVジョイントは、ボールプランジングジョイント、固定ボールジョイント、SXカウンタートラックジョイント、トリポードプランジングジョイントなどがあります。すべてのCVジョイントのシャフトにはスプラインの転造加工があります。スプラインは、常温に近い室温で金属を塑性変形させる高速鍛造プロセスである冷間鍛造(転造加工とも呼ばれる)によって加工されます。転造加工は、大量の切りくずを生成することなく、自動化されたプロセスで、高速、高精度な加工が可能です。転造加工には大きな設備が必要ですが、大量生産に非常に適しています。
メキシコ、グアナファト州セラヤのGKN社
最近、メキシコ グアナファト州セラヤにあるGKN社の試作チームは、CVジョイントを含む試作品生産に必要な転造加工に問題を抱えていました。GKN社セラヤ工場は1979年に設立されました。GKN社セラヤ工場の推定生産面積は4,500平方メートル、従業員数は約2,115名です。この工場の主力製品はCVジョイントで、工場内にある80台の転造盤を用いて生産されています。しかし、これらの設備はあくまでも製造ラインで使用されているものであり、試作品を生産するためのものではありません。

CVジョイントの組み立てライン。
GKN本社の目標のひとつは、メキシコにおける試作品市場でのシェア拡大です。しかし、GKN社セラヤ工場の試作チームは、自社工場で転造盤を使用することができず、メキシコ全土で、通常の生産以外で転造加工に対応してくれる協力会社を探していました。

CVジョイントの組み立てを行うオペレーター。
GKN社セラヤ工場試作チーム マネージャーRicardo González氏は「機械を保有し、販売している会社を探したところ、オーエスジーを見つけました」と話してくれました。
オーエスジーは1956年に転造ダイスの製造・販売を開始しました。現在では、丸ダイス、平ダイス、プラネタリーダイス、ラックダイス、トリミングダイスなど幅広い塑性加工用工具をラインナップしています。オーエスジーは世界最大の転造工具メーカのひとつで、日本、米国、メキシコ、ドイツ、中国、台湾、韓国、タイ、インドの複数の生産拠点で年間7万セット以上の転造工具を生産しています。
GKN社セラヤ工場とOSG Royco, S.A. de C.V.(以下 OSG Royco)との最初のやりとりは、ラックダイスに関することでした。その直後、GKN社が試作品製作に関するプロジェクトを発表し、オーエスジーはOSG Royco, S.A. de C.V. (GTO Tech Center)にデモ用に新設した転造盤「EX-CELL-O XK 8シリーズ」をGKN社に紹介しました。
OSG EX-CELL-O GmbH
2019年、オーエスジーは、65年以上にわたりヨーロッパ市場にサービスを提供してきた転造盤および転造工具メーカであるドイツのEX-CELL-O Corporationをオーエスジーグループに迎えました。会社名をOSG EX-CELL-O GmbHに変更し、ラインナップをさらに拡充しました。OSG EX-CELL-Oは、円筒部品にインボリュートスプライン、ねじ、油溝、ローレット、その他類似形状の生産性の高い転造加工が可能です。

OSG EX-CELL-O XK 851-6Eは、ドライブシャフト、アクスルシャフト、電気モータ部品などの自動車部品の高効率な転造加工を可能にするために開発された先進的なCNC転造盤です。
OSG EX-CELL-O XK 851-6Eは、ドライブシャフト、アクスルシャフト、電気モータ部品などの自動車部品の高効率な転造加工を可能にするために開発された先進的なCNC転造盤です。
機械の駆動方式がCNC制御のため油圧式よりエネルギー消費量の大幅な削減が可能になり、消費する電力と騒音レベルも大幅に削減されました。人間工学的に最適化された安全装置を備え、コンパクトな設計ながら転造物外径最大80mm、長さ1,500mmまで対応可能です。

CVジョイントを手に持つGKN社試作マネージャーRicardo González氏。メキシコのグアナファト州セラヤにあるGKN社製造工場にて。
OSG RoycoはGKN社セラヤ工場試作チームと打ち合わせを重ねた結果、GKN社セラヤ工場試作チームは、工場から車で約1時間20分の距離にあるOSG RoycoのGTO Tech Centerで転造加工を行い、試作品を開発することに同意しました。OSG Roycoは、「EX-CELL-O XK 851-6E」を活用し、試作品の転造試験、転造物の評価、そして製品精度を満足するまでの試作品プロジェクトの立ち上げをサポートしました。
Ricardo González氏は「私たちは、ホイール、エンジン、トランスミッション、中間部品などを接続するすべての部品の転造加工の協力を依頼しています」「OSG Roycoは、試作品を完成させるために、私たちのためにすべての部品の転造加工に協力してくれました」と話しています。
GKN社セラヤ工場試作チームはOSG Roycoの支援により、従来と比較して、コストを約45%削減できたと推定しています。このコスト計算には、機械の使用料、工具費、人件費などの要素が含まれています。
Ricardo González氏は「試作品というものは、仕様を含め未確定の要素が非常に多いです。都度発生する仕様変更に、OSG Roycoは決してノーと言わず、常に我々の要求を受け入れてくれることに感謝しています」と付け加えました。
そして、オーエスジーの強みはその技術的専門知識とグローバルネットワークであり、優れた製品品質で我々の期待に応えてくれることであると話しています。製作された試作品の多くは、すでに完成し、量産のため工場の生産ラインに移管されています。
当初の同社の試作チームの計画では、6,000セットのCVジョイントに必要なドライブシャフト3,000本の生産予定でした。現在では約10,000本を完成させ、2024年にはさらに約1,000本を完成させる予定です。同社は、将来的に生産量がさらに30%増加すると見込んでいます。自動車業界において、ガソリン車から電気自動車への移行が進む中、各自動車メーカが改良に取り組んでおり、新たな試作品が必要とされています。同社の顧客から要求されるものは、非常に多くの種類があります。そのため同社からのさらなる依頼のひとつが、OSG Roycoでの試作品製作対応能力の増強です。

右からGKN社試作マネージャーのRicardo González氏、試作エンジニアのJuan Soledad氏、OSG Royco営業担当Ana Karina Regalado、アプリケーション・エンジニアOmar Albarrán。
Ricardo González氏は「今日まで、私たちが行っているような試作品の開発に協力できる機械を保有しているサプライヤーを見つけることはできませんでした。OSG Roycoが唯一のサプライヤーであり、そのサポートに満足しています」と話しています。
OSG Royco, OSG EX-CELL-O cold forming technologiesと GKN Automotiveの詳細はこちらをご覧ください。
OSG Roycoについて
OSG Roycoは1994年、中南米の切削工具市場のシェアを拡大するために設立されました。OSGグループの全面的な支援により、OSG Roycoは設立当初からタップの製造・販売は順調でした。今日、OSG Roycoは30年の経験を生かし、タップ以外の製品も製造・販売をしています。OSG Roycoは、トルーカ、シラオ、モンテレイに3つの製造拠点を持ち、タップ、ドリル、エンドミル、ラックダイス、工具の再研磨など、幅広い製品とサービスを提供しています。

2016年、OSG Royco, S.A. de C.V. (GTO Tech Center)が完成し、製品開発を加速させるとともに、現地の商社、ユーザの教育の場として提供しています。

OSG Roycoのスタッフ。メキシコ、グアナファト州シラオにあるGTO Tech Centerのロビーにて。

OSG Roycoの従業員。 2024年、創立30周年を記念して、メキシコ グアナファト州シラオにあるGTO Tech Centerにて。
OSG Roycoのグローバルな経験は、同社が異なる文化を理解することで、スタッフは既成概念にとらわれず、顧客に最適なソリューションを提供するためにオーエスジーのグローバルネットワークからのサポートを受けています。OSG Roycoの基本的な考えは、改革、技術力、責任感、誠実さであり、この分野で最も信頼できる企業のひとつです。

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