安定した高能率加工を実現

超硬防振型エンドミルAE-VMSを用いたステンレス製ピストルスライドの安定加工と生産性向上

2011年に設立されたAzimuth Technology社は、銃器関連部品、爆発物検知装置、その他精密な製品・部品の製造を行っており、防衛、航空宇宙、石油・ガスなどの分野において世界中の厳しい製品精度を求めるお客様に製品を提供しています。

Azimuth Technology社は、製造工程の全てを委託されるOEM(相手先ブランド製造)や大量生産に特化した製造工程の一部を委託される受託製造メーカです。同社の主要製品には、ドロップインバレル(銃身)、ピストルスライド(銃身部分を覆っているピストル上部の大きな部品)、ボルトキャリアグループ(スポーツライフル用)などがあり、アメリカ国内および世界中の信頼できる有名銃器ブランドの主要OEM先として部品を製造し納入しています。

Azimuth Technology社は、アメリカのフロリダ州ネイプルズ市に本社を構え、敷地面積約9,300平方メートルの製造工場では、240人の従業員が働いています。工場には260台を超える最新鋭の設備が揃っており、製造工場はISO 9001:2015認証を取得しています。精密さが要求される産業向けに最高の品質管理基準を維持しています。

近年Azimuth Technology社は、5年間製造してきたピストルスライドにおける加工の改善を検討していました。スライドはピストルの主要機構の1つであり、銃身を内部に収め、前後に引くことで弾を薬室まで送り、発射できるようにする機能です。また使用後、薬室に残っている弾を排出し、次に銃を使用する際の暴発を防止します。この部品は17-4PH(析出硬化系ステンレス)で作られており、年間生産量は100,000個以上です。

この部品には、深さ0.27インチ(6.858mm)、長さ0.5インチ(12.7mm)、溝幅0.18インチ(4.572mm)、溝側面の直角度±0.001インチ(±0.0254mm)の溝加工が必要で、荒加工には外径4mmのエンドミルを使用します。使用機械にはオークマ株式会社製GENOS M460-VE 主軸40番テーパ立形マシニングセンタを、ホルダにはハイドロチャックが使用されます。

従来Azimuth Technology社は、外径4mmの油穴付き3枚刃エンドミルに工具取り付け時の振れが少なくかつ把握力の強いハイドロチャックホルダを組み合わせて使用していました。しかし、工具寿命が安定しないため、月間の工具使用量の変動が大きく、工具費が安定しませんでした。さらに、耐久性のバラツキから工具交換のタイミングを予測できず、工具の破損による機械の停止が発生しました。

Azimuth Technology社は、以前よりオーエスジーのタップとドリルを主に使用してきましたが、高性能なエンドミルを取り揃えているということを知りませんでした。OSG USAフロリダ地区セールスマネージャーSal Pinnolaは、同社が工具寿命の安定性と工具費用の問題を抱えていることを知り、テスト加工の機会を得ました。

Sal Pinnolaは、アプリケーションを詳細に調査し、外径4mm、刃長11mm、4枚刃仕様の超硬防振型エンドミルAE-VMS(EDP# 8555840)を提案しました。様々な用途に対応する本製品は高能率かつ優れた仕上げ精度を実現するエンドミルです。

AE-VMSは、工具剛性と切りくず排出性を両立させる独自の溝形状により、部品加工の障害となるバリの発生を抑制し、安定した加工を可能にします。また、潤滑性、耐摩耗性、高温耐酸化性に優れたDUARISEコーティングを施すことで、工具寿命を向上させます。AE-VMSは、ステンレス鋼、鋳鉄、炭素鋼、合金鋼、焼入れ鋼の溝・側面・ヘリカル・輪郭・ランピング加工など、幅広い加工方法に対応します。

AE-VMSのテスト加工には、水溶性切削油剤(外部給油)が使用されました。切削条件は、200 sfm(61m/min)、回転速度4,850min-1、1刃当たりの送り量0.0013inch/tooth(0.033mm/t)、25.22inch/min(640mm/min)、切込深さap=0.09インチ(2.3mm)です。一方、他社の3枚刃エンドミルは、切削速度350 sfm(107m/min)、回転速度8,520min-1、1刃当たりの送り量0.001inch/tooth(0.0254mm/t)、25.56inch/min(649mm/min)、切込深さap=0.06インチ(1.524mm)です。切りくず排出量は、他社が0.242inch3/minに対して、AE-VMSは0.357inch3/minでした。

さらに、AE-VMSは他社品の加工数250個に対して、平均350個加工することができ工具寿命は40%向上しました。合わせて工具交換回数の減少により、機械の稼働時間を増やすことができ、生産性が向上しました。また工具費を50%以上削減でき、年間$18,000以上のコスト削減につながりました。さらに、加工能率が向上したことで、1時間当たりの部品生産量が増加し、納期短縮も実現しました。

Azimuth Technology社のプログラマーAlex Kolb氏は、「従来のエンドミルと比較し、AE-VMSは半分の工具単価でかつ優れた性能を示しています。オーエスジーに切り替えない理由はありません」と語ります。

オーエスジーの超硬防振型エンドミルAE-VMシリーズOSG USAおよびAzimuth Technology社の詳細はこちらから。