6C x OSG

硬脆材料加工の新基準

超硬合金、セラミックス、石英ガラスなどは硬脆材料と呼ばれ、耐摩耗性、耐熱性に優れた素材です。近年では、これらの優れた特性を必要とする幅広い産業(自動車、メカトロニクス、化学、医療、航空宇宙など)への応用が進んでおり、部品の精度や耐久性を向上させるため、金型や半導体の分野で使用量が増加しています。

硬脆材料は、硬度が高い一方で衝撃に弱く脆いという特性から、突発的な破損を起こすことがあります。また加工の難易度は高く、多くの加工時間を必要とし、さらに使用工具の摩耗が激しいため加工コストは高くなりがちです。加工コストを抑えながら要求される精度を確保することは、硬脆材料を加工する際の大きな課題として挙げられます。

硬脆材料の一般的な加工方法は研削加工です。導電性のある材料には、放電加工も採用されます。しかし、これらの方法は加工時間が長く、さらに加工工程が多いという課題があります。

6C x OSG

硬脆材料の新しい高能率加工を提案するため、オーエスジー株式会社は2022年に6C Tools AGと提携し、6C x OSGブランドを設立しました。

2015年に設立された6C Tools AG(6C)は、スイスのチューリッヒに拠点を置く切削工具メーカです。多結晶ダイヤモンド(PCD)を母材に採用した切削工具を製造する6Cは、スイス国内外の精密加工メーカ向けに製品を供給しているベンチャー企業です。

1938年に設立された総合切削工具メーカ オーエスジー株式会社は、世界30ヶ国以上に生産・販売・技術拠点を展開するグローバル企業です。研究開発施設と切削試験室には、多くの経験と知識を習得したエンジニアが常駐し、環境にやさしいプロセスを用いて最高品質の製品を開発することに専念しています。従来から当社は、自動車、航空宇宙、金型などの分野において強力な存在感を維持してきました。現在は、エネルギー関連産業、建設機械産業、5G・半導体、精密金型、モビリティ、ロボットなど、高い加工精度が要求される精密機器メーカにも製品を供給しています。

6C x OSGは、良好な加工精度と仕上げ面精度が得られる硬脆材料加工用に最適化された切削工具ブランドです。本ブランドは、硬脆材料における研削加工と放電加工の課題を解決し、複雑な形状を加工するための新しいコンセプトを提案します。6C x OSGのPCD工具は、高能率・高精度な直彫り加工を可能にし、加工時間および加工コストを削減します。さらに、従来の加工方法と比較して加工時のエネルギー消費量を削減し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。

製品概要

PCDドリル “PCD-MXD”

PCD-MXDは、硬脆材料の穴あけ加工において、長寿命化を実現するために設計されたPCD先ムク形状のドリルです。独自のWアングル形状により、ドリル肩部のチッピングとワークのコバ欠けを抑制します。さらに弱ねじれ溝仕様により工具剛性が向上し、超硬合金、セラミックス、石英ガラスなどの硬脆材料に最適な加工を実現します。

加工事例

図1は炭化ケイ素(SiC)のドリル直径φ0.6を用いた穴加工事例です。従来ダイヤコートドリルの平均寿命が約30穴に対して、PCD-MXDは優れた耐久性を示し、120穴加工後も継続使用可能な摩耗状況でした。PCD-MXDは優れた耐久性を実現します。

PCDラジアスエンドミル “PCD-MRM”

PCD-MRMは、硬脆材料のフライス加工において、長寿命化を実現するPCD先ムク形状のエンドミルです。超多刃仕様により、高能率な荒加工から鏡面仕上げ加工まで対応可能です。また強ねじれ溝仕様により、切削抵抗を抑えることができます。PCD-MRMは、超硬合金、セラミックス、石英ガラスなどの硬脆材料に最適化されたエンドミルです。

加工事例

図2はPCD-MRMの超硬合金の高能率加工です。わずか約4分30秒で体積380 mm3除去することができました。加工後の摩耗状況は欠けなどの異常な損傷は見られず、継続使用可能な状態でした。

図3は、PCD-MRMを用いて超硬合金の荒から鏡面仕上げまでを1本の工具で加工した事例です。

PCD面取り工具 “PCD-MCM”

PCD-MCMは、PCD先ムク形状の面取り工具です。コバ欠けの発生しやすい硬脆材料において、良好な加工面品位と工具の長寿命化を実現します。多刃仕様のため、加工能率を大幅に向上させます。PCD-MCMは、超硬合金、セラミックス、石英ガラスなどの硬脆材料に最適化された面取り工具です。

加工事例

図4は、石英ガラスにPCD-MXDで穴加工後、PCD-MCMを用いて面取り加工を行った事例です。高能率条件でも良好な加工面品位を得ることができます。

PCDスレッドミル “PCD-MTM”

PCD-MTMは、硬脆材料のねじ切り加工において、工具の長寿命化を実現するPCD先ムク形状のスレッドミルです。多刃仕様のため加工能率が大幅に向上します。さらに、シングルポイント形状により切削抵抗を低減し、口元と奥側のめねじ有効径差を最小限に抑えます。PCD-MTMは、超硬合金、セラミックス、石英ガラスなどの硬脆材料に最適化されたスレッドミルです。

加工事例

図5は、ジルコニアにめねじ加工を行った事例です。従来工具の5倍の加工能率を示しています。サイクルタイムの短縮に加えてめねじのフランク面も良好な状態です。

図6は石英ガラスにめねじ加工を行った事例です。PCD-MTMは、高能率加工でも高品位なねじを加工することができます。

硬脆材料加工の新たなスタンダードとして、6C x OSGは加工品位と能率に妥協しない革新的な技術を提案します。

6C x OSGの製品は現在、日本、中国、台湾で購入可能です。

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