ステンレス・チタン合金用ドリルADO-SUSとスパイラルタップZ-SFTは、AISI 430 Nb (フェライト系) ステンレス鋼製の自動車部品製造において優れた性能と切りくず処理を実証
切りくずに関する問題は加工ワークの不良、工具の短寿命、加工精度の悪化などの原因となるため、加工現場の生産効率向上を考えるうえで最も重要な要素のひとつです。これらの問題は解決に多くの時間を必要とし、生産性に大きな影響を与える可能性があります。切りくずをコントロールすることで、小ロット生産でも加工時間や切りくずトラブルによる機械の停止時間を最小限に抑え、全体の製造コストを削減できます。

イタリア、アンコーナのカステルフィダルドに本社を置く Guerrini Industry S.p.A.社は、精密旋削金属部品の大手メーカです。
精密旋削金属部品の大手メーカである Guerrini Industry S.p.A. 社(以下Guerrini社) の重要な目標のひとつは、クランプナットの製造における切りくずの問題を解決し、工具の安定した長寿命化を達成することです。イタリア、アンコーナのカステルフィダルドに本社を置くGuerrini社は、1962年に熟練工が活躍する小さな会社として設立されました。同社は小型金属部品の精密旋削加工における大手国内企業に成長し、自動車、電気機械、油圧、家電などさまざまな分野に製品を提供しています。 特に自動車分野は非常に重要であり、現在の売上高の50%以上を占めています。

Guerrini社の工場の敷地面積は7,500平方メートルで従業員数は約80名です。加工設備は80台でそのうち60台は CNC自動旋盤です。
現在、Guerrini社の工場の敷地面積は7,500平方メートルで従業員数は約80名です。加工設備は80台でそのうち60台は CNC自動旋盤です。同社の継続的な成長の要因は、重要な認証の取得を可能にした製品の品質と顧客に対するスピード感と柔軟性をもった対応、信頼性かつタイムリーな納品を可能にするための最先端技術への継続的な投資の拡大です。さらに、同社はあらゆる加工を行うことができる認定を受けており、また同じように認定された多くの協力会社との連携で、生産を完全に管理しています。お客様からのあらゆる要望に対して同社が単一の窓口となることでトータルソリューションを保証し、最大限に最適化された生産ネットワークの中で製品を製造できるため、お客様自身が個々の加工を手配する必要がありません。これはお客様にとって大きなメリットです。

自動車分野向けに開発されたAISI430Nb (フェライト)ステンレス鋼製特殊クランプナット。Guerrini社の生産能力は年間約150万個と推定されています。
最近Guerrini社は、自動車分野向けに開発された特殊クランプナット製造において、安定した切りくず処理と工具寿命の向上を目指していました。生産能力は、2020年の統計に基づくと年間約150万個と推定され、ロットサイズは平均8万~12万個です。AISI430Nb (フェライト系) ステンレス鋼製クランプナットには、M12×1.5 ねじ立て長さ10.4mm(止り)を1か所加工する必要があります。 下穴径は10.6 mm です。加工にはINDEX社製 MS32 CNC多軸加工機を使用します。

Guerrini は、AISI430Nb(フェライト系) ステンレス鋼製のクランプナット製造に INDEX社製MS32 CNC多軸加工機を使用しています。
当初、同社はこの加工に他社のドリルとタップを使用していましたが、切りくず処理と工具の短寿命という問題を抱えていました。これらの問題の改善を求めて、CNC製造マネージャーのFabrizio Tavoloni氏とNicolò Tavoloni氏は、イタリア イェージにある販売代理店Tecnomeccanica Tools社を通じてオーエスジーに連絡しました。

INDEX社製 MS32 CNC多軸加工機の内部。
連絡を受けてすぐに、OSG Italiaエンジニアリング マネージャーのAndrea Severiと営業担当者の Alfredo Nadini が、加工状況を確認するためにGuerrini社の工場を訪問しました。切削状況を分析した結果、ドリルはADO-SUS-3D直径 10.6 mm (EDP# 8681060) 、タップはスパイラルタップZ-SFT M12x1.5 (EDP# 48029176) の2つを提案しました。 どちらの工具もER25コレットホルダでスピンドルに取り付けられます。使用される切削油剤は油性です。
ステンレス・チタン合金用ドリルADO-SUS

油穴付き超硬ドリルADO-SUSは、ステンレス鋼およびチタン合金の加工用途で優れた性能を発揮するように設計された オーエスジーのイノベーションのひとつです。
油穴付き超硬ドリルADO-SUSは、ステンレス鋼およびチタン合金の用途で優れた性能を発揮するように設計されたオーエスジーのイノベーションのひとつです。切れ味重視の刃先形状の採用で加工硬化を軽減し、後加工のリーマやタップなどの長寿命化を実現するドリルシリーズです。 独自の新型溝形状により切りくずを細かく分断し、トラブルのない切りくず排出を可能にします。さらに、3D・5Dタイプの直径6mmを超えるサイズには独自のオイルホール形状「MEGA COOLER」を採用し、発熱を抑えスムーズな切りくず排出を実現しました。耐溶着性と密着強度に優れるオーエスジーのWXLコーティングの採用により、工具の欠損を防止します。オーエスジーの最新切削工具技術を活用したADO-SUSシリーズは、安定した工具寿命でステンレス鋼やチタン合金の穴あけが可能で、難削材の効率的な加工を実現します。
スパイラルタップZ-SFT

Z-SFTは、切りくず処理に優れた一般鋼・ステンレス鋼の高速タップ加工が可能な粉末ハイス製スパイラルタップです。
OSG Europeの高性能ZシリーズZ-SFTは、粉末ハイス製スパイラルタップです。Z-SFTは多層コーティングのTiCNコーティングを施し、切りくず処理に優れ、一般鋼・ステンレス鋼の高速タップ加工が可能です。

Guerrini社の特殊なクランプナット製造において、安定した切りくず処理と工具寿命の向上を可能にしたADO-SUSドリルとZ-SFT。
今回提案した工具の切削条件は、現状使用されている他社品と同じです。下穴加工に用いるADO-SUS-3D 10.6mmは切削速度50m/min、送り量0.14mm/revで使用します。加工穴数は他社品20,000穴に対して、ADO-SUS-3Dは90,000穴加工することができました。タップの切削条件は切削速度15m/minです。タップの工具寿命は 他社品15,000 穴に対してZ-SFTは摩耗が進行するまでに45,000穴の加工が可能でした。

左から、Tecnomeccanica Tools社オーナーのPiergiorgio Cervone氏、Guerrini Industry S.p.A.社 製造マネージャーのFabrizio Tavoloni氏とNicolò Tavoloni氏、およびOSG Italia エンジニアリング マネージャーAndrea Severi、イタリア、アンコーナのカステルフィダルドにあるGuerrini社の工場内にて。
他社品と同じ切削条件で、他社品に対してADO-SUS-3Dは4.5倍、Z-SFTは3倍の耐久性向上をさせることができます。工具寿命向上に加えて、切りくずトラブルによる機械停止もなくなり、生産性が向上しました。切りくずの絡みつきなどのトラブルを解消することは、切りくずが原因となる加工部品表面の傷や工具の切りくず嚙み込みによる欠けや折損を低減でき、工具交換などの段取り時間も短縮できます。切りくずトラブルを解消することでGuerrini社はクランプナットの生産を最適化し、コストを削減、生産効率を最大化することができました。
オーエスジーステンレス・チタン合金用ドリルADO-SUS 超硬ドリルシリーズ、OSG Italia、および Guerrini Industry S.p.A.の詳細はこちら。

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