未来のエンジニア

大学のロボット工学・自動車関連プロジェクトへのスポンサー協力を通じて、オーエスジーが次世代の専門技術者の育成に貢献

Marcela Rattin Bombini  |  OSG Sulamericana

今から30 年後、誰があなたの代わりに会社で働き、会社を経営しているか考えてみたことはあるでしょうか。オーエスジーはそれを考えています。数十年間にわたり、オーエスジーは製造業でのキャリアを志す学生に対して奨学金や研修プログラムを提供し、若い世代への投資を続けてきました。

ブラジルでは、OSG Sulamericana が、工学の学位取得を目指す学生へのスポンサー協力や切削工具の提供を通じて、大学のプログラムを積極的に支援しています。2014 年以降、OSG Sulamericana はロボット対戦や小型フォーミュラカーレースに参戦する10 の大学チームのスポンサーとなっています。

ロボット対戦

ロボット対戦は、特殊製作のロボット、通称「バトルボット」同士が、指定された競技場の中でさまざまな武器を駆使して対戦相手を破壊するか停止させようとする競技です。年間に平均で6 ~ 10 回の大会が開催されています。1 機のバトルボットの製作には約3 ~ 6 か月かかります。各チームはユニークな戦略を駆使して、大会のルールを順守しながら与えられた時間制限の中で戦いに勝とうと努力します。戦闘ロボットは一般的には遠隔操作の車両です。マシンの複雑さとコストは体重別階級によって異なります。一般的に、重い体重別階級ほどマシンは強力になります。完璧な戦闘マシンを作るには、製作者と操作者が息を合わせて協力する必要があります。

Omegabotzの1.36 kg ビートルウェイト級戦闘ロボットと、オーエスジーがチームに提供している工具一式。

フォーミュラカー開発コンテスト

オーエスジーがスポンサーとなっている10 チームのうち、5 チームは自動車部門に注力しています。彼らは、学生が1 年間の時間制限の中で小型の電気フォーミュラレーシングカーの設計と製作に取り組む大会、自動車開発コンテストの出場チームです。フォーミュラカー開発コンテストでは、コンセプトの立案から製作に至るまで、研究、設計、製造、試験、改修、マーケティング、経営、資金調達など、自動車開発のあらゆる側面を網羅した、自動車開発工程の全体を学生に体験させることができます。各チームはスピード、燃費、安全性において卓越した品質を備えた、最高の機能を持つ試作車を作ろうと努力します。試作車は学生自身が運転し、ブラジルの工学教育機関が製品としての可能性の観点から評価を行います。

Brazil SP 州SorocabaのSorocaba工業学校で行われたB’Energy のワークショップ。

ロボット対戦やフォーミュラカー開発コンテストは、面白く楽しいだけではなく、学生が授業で学んだことを現実世界に応用するための場でもあります。それぞれのコンテストでは学生のメカトロニクスに関する知識と革新性が試されます。チームとして活動する中で、学生は自信、リーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決能力を養うことができます。これらの課外活動は、工学への興味を深めさせる重要な場になるとともに、学生に未来のキャリアパスを切り開く機会を提供します。コンテストと製作チームの背景をさらに理解するために、オーエスジーは3 つの大学を訪問し、スポンサーとなっているいくつかのチームにインタビューを行いました。

ThundeRatz

大学:São Paulo 大学

所在地:Brazil SP 州São Paulo

チームメンバー数:75 人

結成年:2001 年

最近の主な実績:2018 年 Robot ReDrum 15kg 級で優勝

ThundeRatzチームが長年にわたり獲得したトロフィー。

チームの歴史:ThundeRatzチームは2001 年、ブラジル初となるロボット対戦コンテストに出場する目的で結成されました。第1 回大会の出場チームは、同様に同じ年に新たに結成された他の3 チームだけでした。それ以降、ThundeRatzはロボット対戦コンテストに毎年出場しており、ブラジルで最も歴史のあるチームの1 つとなっています。

戦闘ロボットの武器の加工にオーエスジーのエンドミルを使用する、ThundeRatz のメンバーで機械工学専攻Matheus Ivanagaさん。

最もよく使われているオーエスジーの工具:オーエスジーの多くのドリル、エンドミル、タップが、ThundeRatzチームの戦闘ロボットの製作に使われています。丸ダイスも頻度は少なめですが使われています。

ThundeRatz のリーダー、Matheus Ivanaga さんのコメント:「ThundeRatz はオーエスジー社とのパートナーシップを大変ありがたく感じています。大学生のみで構成されたチームにとって、自力で資金を調達するのは非常に難しいものです。ThundeRatz の考えでは、スポンサーとなってくださる企業はチームを支えるだけでなく、国の科学と技術の発展にも貢献していると考えます。さらに、オーエスジー社からご提供いただく切削工具のおかげで、ThundeRatz は精密で、耐衝撃性に優れ、すばらしい表面精度を備えた部品を製作することができます。オーエスジー社のご支援の下、ThundeRatz はこれからもチームとして進化を続け、ロボット工学分野の幅広い知識を備えた優秀なプロフェッショナルとなるべく努力していきます。」

São Paulo 大学のThundeRatzプロジェクト開発室。

TROIA

大学:Lavras連邦大学

所在地:Brazil MG 州Lavras

チームメンバー数:32 人

結成年:2012 年

最近の主な実績:2018 年ロボットホッケー部門ナショナル・チャンピオン(同部門で3 度のチャンピオン)

チームの歴史:技術(Technology)、ロボット工学(Robotics)、最適化(Optimization)、人工知能(Arti_ cial Intelligence)の頭文字をとったTROIA は、Lavras連邦大学の2 つの研究グループが合体する形で生まれました。2011 年、UFLA の制御・自動化工学課程の10 人の学生が、Robocore社の主催する全国大会に出場するための戦闘ロボットを製作する目的で集まりました。それ以降、TROIA は20 を超える大会に出場し、世界大会での2 個を含む25 個を超えるトロフィーを獲得しています。その短い歴史にもかかわらず、TROIAはロボット対戦大会におけるベンチマークとなっており、400を超える競合チームがいる中で国内ランキング8 位を占めています。

Brazil MG 州Lavras のLavras 連邦大学で行われたTROIA のワークショップ。

最もよく使われているオーエスジーの工具:TROIA はオーエスジーのエンドミル、ドリル、タップを使用しています。最もよく使われているのは、HSS エンドミルとTiN コーティングHSS エンドミルです。

ロボットの構造部品の加工にオーエスジーのエンドミルを使用するTROIA のマーケティングリーダー、Anna Caroliny さん。

TROIA のマーケティングリーダー、Anna Caroliny さんのコメント:「スポンサーや社会の支援、そしてチームメンバーの尽力がなければ、TROIA の発展はどれも不可能だったでしょう。オーエスジー社は、労働市場を志して大学を卒業するチームメンバーの個人的成長に直接影響を与えています。オーエスジー社にご提供いただく切削工具は、迅速な加工とすばらしい表面精度を実現します。TROIA はオーエスジー社のご支援を受けていることに大きな誇りと敬意、名誉を感じています。」

Omegabotz

大学:Sorocaba工業学校

所在地:Brazil SP 州Sorocaba

チームメンバー数:26 人

結成年:2005 年

最近の主な実績:2018 年ウィンター・チャレンジホッケー・プロ(6.8 kg)部門2 位、2018 年ウィンター・チャレンジ アートボット- キネティック部門2 位

チームの歴史:Omegabotzは、2005 年に電気工学課程の学生とともに活動を開始しました。メンバーは同年に始まったイベント「ウィンター・チャレンジ」に触発され、Steppe と名付けた55 kg の戦闘ロボットの開発を独力で開始しました。Omegabotz は、ホッケーロボット部門を得意とする、ブラジルで最も優れたロボット工学チームの1 つです。

オーエスジーの切削工具を使用して製作されたOmegabotz のホッケーロボット。

最もよく使われているオーエスジーの工具:最もよく使われている工具はエンドミルで、Omegabotzのプロジェクトの85% で使われています。エンドミルは主にシールド、ベース、ウォールなど、基本的にロボットのすべての構造部品の形成に使われます。ドリルも使われていますが、エンドミルほどの使用頻度ではありません。

ホッケーロボットの構造部の穴開けにオーエスジーのドリルを使用するOmegabotz のキャプテン、Gregory Nomura さん。

Omegabotz のリーダー、Gregory Nomura さんのコメント:「スポンサーの皆様からいただいている支援と信頼は、私たちが学内・学外プロジェクトや職業訓練で優れた成果を収めるために欠かせないものです。これらの活動は私たち個人の成長にとって有益なだけでなく、社会での新技術の発展にとっても有益なものです。オーエスジー社の製品は常に長い工具寿命を実証されています。今日に至るまで、切れ味が悪くなった工具は1 つもありません。これは、品質と顧客満足に対するオーエスジー社の尽力をはっきりと示すものです。Omegabotz も、尽力、管理、品質の面でオーエスジー社を見習えるように努力を続けていきます。」

B’Energy

大学:Sorocaba工業学校

所在地:Brazil SP 州Sorocaba

チームメンバー数:24 人

結成年:2014 年

最近の主な実績:Formula SAE Brazil 2017 年大会2 位

チームの歴史:B’Energyは2012 年、BrazilでFormula SAE の電気自動車部門が始まったのと同じ年に結成されました。チームはSAE Brazil のフォーミュラカー大会に一度も欠かさず出場しています。

チームの車両を製作するための穴開けにオーエスジーのハンドタップを使用するB’Energy のLucas Maximiliano さん。

最もよく使われているオーエスジーの工具:B’EnergyのB18 車両の支持部品の製作にはエンドミルが使われています。また、チームが設計・製作する支持部品とバッテリー部品のねじ立てにはタップが使われています。

B’Energy のリーダー、Lucas Andrade さんのコメント:「オーエスジー社とのパートナーシップのおかげで、B’Energyは高い精度と品質の車両を製作することができています。私たちが出場している大会は、私たちの将来のプロフェッショナルとしての成長にとって大変有益なものです。」

B’Energyの車両部品の加工にオーエスジーのエンドミルを使用しているところ。

オーエスジーは年々成長し、それとともにスポンサー協力と奨学金プログラムも広がっています。オーエスジーはこれからも、次世代のロボット工学システムの設計によって科学と技術をさらに発展させる未来のエンジニアを応援し、支援していきます。