WXS-LN-EBD 2 刃ロングネックボールエンドミルは、54 HRC の硬さを持つ金属ローラーの高送り加工で、長い工具寿命と優れた精度を発揮します
Magnus Hoyer | OSG Germany
長さ80 mm で1.2379 工具鋼でのシートメタル刻印ローラーのエンボス加工を含む製造工程です。一見しただけでは、この部品の生産には厳格さは求められず、困難も伴わないように思えます。しかし、細部の加工がとても難しいのです。0.01 mm の許容誤差を保ちながら、24時間にわたって連続して加工しなければならないか為です。直径が小さいエンボス加工では、ローラーの穴がすき間なく配置されており、そのために高い送り速度が実現できません。なぜなら、切削加工機には加速したり減速したりするための余裕がないからです。このため、この種の作業で使用する切削工具は、高い精度で短い横断経路を素早く研磨しなければなりません。ローラーが54 HRC という高い硬度を持つ素材で作られていることで、通常は鋭利な刃先を持つエンドミルを使用します。少なくとも、PräWeba Engraving社とHSC Technology GmbH 社の経験に基づけばこのように言えます。
1996 年に創業したPräWeba Engraving 社は、ドイツのHarz 地方の南部に位置するBad Lauterberg を拠点とするCNC の製造に関わる専門家集団です。部品加工のプログラミングに関して豊富な経験を有するRolf Stilzebach 社長が率いるPräWeba 社の主なサービスとして、彫刻、工具の製作、成形、CAD サービスなどが挙げられます。PräWeba社は、プラスチック材、プレキシガラス、真ちゅう、アルミニウム、ステンレス鋼、および硬度が最大65 HRC までのその他の金属材といったさまざまな要件、表面、ならびに素材に対応します。
20 年以上の長きにわたり、PräWeba 社は、さまざまな工業製品を手掛ける世界の有名企業に向けて精密な部品群を供給してきた実績を持ち、自らが取り組む質の高い仕事に自信を持っています。同社は、寸法と細部における精度の実現に特に力を入れています。金属部品の製造では、見た目は重要であるとは思われない複数の部品にわずかな不正確さが生じていただけでも、後の工程に影響をもたらし、最終的に受け入れられない仕上がりになってしまうことがあるのです。絶対的な精度を保証するため、常に近代的なCNC 切削加工機、高品質の締め付けシステム、そして最適な切削工具を使用して部品を生産しています。

すき間なく配置された穴の加工を含む、金属ローラーの生産では、最終製品の許容誤差がマイクロメートル単位となっています。つまり、エンボス加工工具の許容誤差は、採用するカッターの直径を0.4 mm から0.8 mmまでの範囲として+/- 0.01 mmとなっているのです。

工具にかかるコストは全体の生産コストに含めて顧客に伝えられるため、PräWeba 社は常に工具の選定を慎重に行っています。コスト効率が向上するのであれば、新しい工具ソリューションをいつでも歓迎しています。PräWeba 社が最初に採用した工具はかなり良いものでした。しかし、WXS-LN-EBD と比較した場合、オーエスジーの製品のほうが加工時間と工具寿命において明らかに勝りました。
WXS-LN-EBD は、硬さが最大65 HRC の焼入れ鋼とステンレス鋼の高送り加工のために開発された2 刃ロングネックボール超硬エンドミルです。熱や磨耗に対する耐性に優れたオーエスジーの純正WXS コーティングを採用したこのリブ加工エンドミルシリーズは、アグレッシブな加工条件下でも高い精度と効率性で最適な性能を発揮します。

PräWeba 社は、自社の以前のフライス盤を13,000 rpmの回転数で稼働させていました。これに対し、オーエスジーのWXS-LN-EBD ボールエンドミルは、同じ切削環境で18,000 rpm の回転数で稼働することができます。また、エンボス加工ローラーはどれも金属材の硬度が54 HRC と高いため、切削工具を著しく磨耗させます。PräWeba 社の以前の工具は、ローラー1 つにつき16 本から20 本のエンドミルを必要としていました。しかしオーエスジーのWXS-LN-EBD では、ローラー1 つにつき6 本のエンドミルだけで十分なのです。
「私たちはすべての手段について試験、計算、ならびに重量評価を行いました。その結果、オーエスジーのWXS-LN-EBDのほうがより高い送り速度で稼働でき、工具寿命も20% から30% ほど長く、工具にかかるコストを大きく削減できるとの結論に私たちは達したのです」と、PräWeba 社のRolf Stilzebach 社長は語ります。

WXS-LN-EBD は超硬合金、複雑な細部加工、および滑らかな仕上げが関わる用途において効率性の高い機能を発揮するように設計されています。PräWeba 社はこれを半荒削りと仕上げの工程の両方に使用することでこの工具が持つ2つの能力を最大限に活用しています。
現在のマシニングセンタは、送り速度が速く、高精度で複雑な加工が可能です。正しい工具を選ぶことで、たとえ許容誤差が小さく、高い精度を必要とする複雑な部品でも高送りで加工し、コスト効率を最大限に高めることができます。
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