1 本のタップで すべてをこなす

高能率・多機能なA タップシリーズを採用することで、自動車メーカは工具の管理を簡素化することができます

Jiang Encheng  |  OSG Shanghai

自分の仕事を陸上競技に例えるのなら、日々の業務は100 メートル走、切削工具ソリューションの供給はねばり強さが必要な1,500 メートル走、新製品の推奨はチームワークが必要な4人で走るリレー競争といったところでしょうか。顧客満足の追求は、どのような競技に例えられるでしょう。

私の個人的な意見では、終りのないマラソンのようなものだと思います。

1 年前に行われたリーン生産方式に関する会合で、私たちは、中国のデトロイトと呼ばれる自動車産業が盛んな中国北部の都市を訪れました。移動した距離は1,200 kmにも及びましたが、これはロンドンからブダペストにまで至るような距離に相当します。しかし、この遠く離れた都市には300 以上もの自動車工場が存在します。私たちの顧客は中国でも屈指の規模を誇るメーカで、130,000 人以上もの従業員が働いています。この出張の間、私たちは、およそ600,000 m2の製造面積を有し、従業員数が1,500 人以上を数える彼らの製造施設の一つを訪れました。

自動車産業においては、製造作業がいかに安定的に行われていても、各工場はコスト管理や処理の効率性に関して独自の要件を定めています。もちろん、彼らが採用している切削工具についても例外ではありません。

自動車は、アルミニウム、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、ステンレス鋼をはじめとするさまざまな素材で作られた数々の部品で構成されています。各素材はそれぞれ異なった特性を備えています。たとえば、アルミニウム合金を効果的に加工するには、切削工具がとても鋭利なものであると同時に、溶着に耐える能力を備えていることが条件となります。鋳鉄を加工するための切削工具は高い剛性と耐摩耗性を備えていなければなりません。ステンレス鋼の場合、工具は耐摩耗性と靭性をバランス良く備えていなければなりません。指定された被削材のためにそれぞれの仕様で設計された切削工具を所有しているのが理想的です。しかし、工具の管理についていえば、被削材に合わせて設計された工具の管理は容易ではありません。メーカが異なる素材を使用した新しい製品を扱うときは、切削工具を購入し直さなければならず、そして、ねじ加工の現場ではこのようなことは当たり前に行われています。

リーン生産方式に関する会合で、私たちはオーエスジーのA タップシリーズを、集約した工具管理する手段として顧客に紹介しました。なぜなら、このタップはさまざまな被削材に対応できるよう設計されているからです。具体的なお名前は機密上の理由からお出しすることはできませんが、その顧客はそれまでに多目的のタップを使用した経験がなく、その製品のコンセプトについて非常に疑念を持っていました。

オーエスジーのA タップは、工具の管理を単純化するために開発された多機能なタップ製品群で、多様な被削材と用途においてその卓越性を発揮します。止まり穴のスパイラルタップでトラブルのない切りくず排出を実現することは特に難しく、多くの作業者たちを悩ませてきました。この問題を解消し、切りくずをより良好に排出できるように、オーエスジーのA-TAP A-SFT には不等リード溝が採用されており、これにより安定的な切りくず排出を可能にし、切削抵抗を削減することに成功しています。この独自の形状により、切りくず管理をより良好に行うことが可能となり、切りくずがしっかりと排出されやすくなります。

さまざまな切削条件に対応するため、このシリーズには粉末ハイスとオーエスジーの特許取得済みV コーティングが採用され、優れた耐摩耗性を実現しています。さらに、高速加工に対応できるよう、A タップシリーズには鋭利さを重視した独自の刃先設計が採用されています。一般的な鋼材でその優れた性能を発揮するだけでなく、ステンレス鋼や一般構造用鋼など、難削材でもその性能を発揮します。さらに、A タップは手動式のボール盤から最新のマシニングセンタに至るまで、さまざまな加工設備に対応しています。

良好な加工データを多く紹介できたことで、顧客はA-Tap A-SFT スパイラルタップを試験的に導入することに至りました。

切削工具のトライアル期間中、私たちは6 本のA-SFT(M8×1.25)を使用して、炭素鋼、アルミニウム合金、ステンレス鋼という3 種類の素材を同じ機械で加工しました。私たちは各素材に新しい工具を1 本使いトライアルを二度実施して、結果を評価しました。

A タップの特性として、切りくずの排出に優れていることが挙げられます。A タップは多機能タップシリーズで、多岐にわたる被削材と加工環境に対応し、メーカにおける工具管理の簡素化に貢献します。

トライアルを通して、平均の工具寿命はS50C で切削速度15 mm/min にて1,400 穴、ADC で切削速度20 mm/minにて4,000 穴、SUS304 で切削速度10 mm/min にて1,000穴という結果になりました。さらに印象的だったのは、磨耗が最小限に抑えられるため、すべてのタップの使用を継続できることでした。多機能性、性能、ならびに工具寿命が優れることから、この顧客の作業に必要なタップの本数が15%も削減できました。

このように最初の商談が上手くいったことで、この顧客は別の工程についても相談を持ちかけてくれました。その相談とは、年間生産量がおよそ25 万台にも及ぶアルミニウム製エンジンシリンダブロックのねじ加工でした。具体的には、中国の地元ブランドの垂直方向のマシニングセンタでM20 x 1.5 のタップを使用して、底にまで達するクロス穴のねじ加工をするというものでした。

顧客が以前に使用していた工具では切りくずの排出に問題が生じ、毎回手作業で切りくずを除去しなければならず、製造作業の安定性と効率化に影響が及んでいました。

私たちは徹底的に評価を行った後、この工程にもA-Tap A-SFT を導入するべきだという結論に達しました。この問題を完全に解消するため、私たちはオーエスジーが特殊品として提供している油穴をA-SFT の溝部に付けることを推奨しました。クーラントの特別な効果で、切りくずはねじ加工が行われている間、スムーズに排出されるようになりました。さらに、以前使用していた工具では、安定した切りくず形状にするために、切削速度35 mm/min を維持する必要がありました。切削速度が35 mm/min を超えると、切りくずの量が増え、排出させることがより困難となりました。しかし、A-SFT を採用することで、切削速度を35 mm/min から50 mm/minに引き上げ、加工効率が42.8% も上昇したのです。

加工効率が上がり、平均で20,000 穴分の工具寿命が達成されたことで、顧客はこの上ない満足感を得て、その後もさらにA-SFT を製造ラインに採用しています。メーカのニーズは絶えず進化を遂げており、改善の必要性には終わりがありません。まるで、そう、終わりのないマラソンのようです。ただ、終わりはありませんが、私たちは今後も新しい技術を追求し、お客様各社が競争に勝ち抜くことができるように後押ししていかなければなりません。

A-TAPの詳しい情報