電気エネルギーへとギアチェンジ

電気自動車が発達すれば、自動車部品の小型化、軽量化、および効率性が加速度的に進む

Chunhui Xu  |  OSG Shanghai

電気自動車(EV)への関心は、最近20 年間のうちに急速に高まりました。多くの自動車のバイヤーは、長期的にコストを低く抑えることができ、環境への影響も少ないことに加え、電気自動車の人気の高まりに大きく貢献しているその最先端の技術に魅了されています。市場での需要が高まっていることで、世界の大手自動車メーカーは新しい電気自動車を次々と世界中で発表してゆくものと予想されます。しかし、電気自動車という輸送手段を浸透させるには大きな試練が伴います。電気自動車のバッテリー寿命、修理や部品交換にかかるコストを知れば、潜在的なバイヤーの多くは困惑してしまいます。その上、電気自動車、ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車の再販価値は、市場に出回っている従来の自動車のそれと比較して相当に低く、こうした要素もバイヤーの心理に大きな影響をもたらしています。そして何よりも、充電を行える施設がガソリンスタンドに比べて各段に少ないため、多くの人たちにとって電気自動車は現実的な選択肢になり得ません。よりクリーンで、エネルギー効率が高い輸送手段の浸透を積極的に推し進めてゆくには、政府がインセンティブを提示することが不可欠です。

中国におけるエネルギー車両事情

世界最大の自動車市場である中国では、深刻な大気汚染を和らげる目的で、政府が新エネルギー車両を積極的に導入することを義務付けています。バッテリーを搭載した電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車、および燃料電池を搭載した自動車は、新エネルギー車両のカテゴリに属します。2015 年以降、中国は環境にやさしい車両の販売国として世界でもトップクラスに位置しています。中国政府は、2025 年までに国内で販売される自動車の5 台のうち1 台以上を新エネルギー車両にすることを目標に掲げています。 この目標を達成するため、中国の政策立案者は自動車メーカーに対し、2018 年までに、国内における売上高のおよそ8% をバッテリーを搭載した電気自動車、もしくはプラグイン・ハイブリッド車の販売で占めるように求めており、この比率を次第に上げていく計画です。さらに、この部門の成長を加速させるため、中国政府は引き続き研究開発を奨励し、充電施設や充電パイルなど、必要なインフラへの投資をしていく予定です。

エネルギー効率スクロールコンプレッサ

中国では新エネルギー車両の需要が高まっていますが、このことが効率性がより優れた自動車コンポーネントを開発する原動力の一つとなっています。スクロールコンプレッサは、そうしたコンポーネントの一つです。スクロールコンプレッサは、空気を圧縮するためのデバイスです。このデバイスは一般的に、自動車の過給機や真空ポンプとして使用されています。スクロールコンプレッサの最新のモデルでは軽量化が進み、高度な速度性能を発揮することでエネルギー負荷を軽減し、効率性を最大限に高めています。さらにそれらのコンプレッサは円滑に作動するように設計され、異音と振動の軽減を実現しています。主にアルミニウムを素材に採用しているスクロールコンプレッサは、旋回スクロールと固定スクロールで構成され、圧縮装置として機能しています。それぞれのスクロールにはエンドプレートとラップスクロールブレード、そしてクランクシャフトで旋回スクロールを駆動させる装置が搭載されています。旋回スクロールと固定スクロールは、ガス圧縮の行程に欠かせない主要なコンポーネントです。それらが調和して相互作用するには、極めて厳格な許容誤差が満たされなければならず、歯の深さ、壁の厚さ、そして歯形の渦線が正確に同じ大きさであることが求められます。

安定性の実現 そして、カスタムツーリングによる上質の表面仕上げ

オーエスジーは先頃、中国の旋回スクロールのメーカから問い合わせを受けました(機密保持の観点から具体的な会社名は公開できません)。加工対象物の素材は、アルミニウム合金(DL4032)です。このお客様は、旋回スクロールと固定スクロールの表面加工、そして機械加工工程の安定性をさらに向上させる切削工具のソリューションを求めていました。加工対象物の高さ12.9 mm で、厚さは3 mm です。許容差は+/- 0.01、深さの平行度は0.02、垂直性は0.02、粗度はRa 0.8 以内、R角度は5.25 mmで、高い精度が求められます。お客様は、日本のブランドの複合工作機械を使用し、高精度の焼ばめホルダ(HSKA50)を採用しています。

お客様によると、6 溝、直径10 mmのエンドミルが必要とのことで、彼らはオーエスジーの技術チームにその他の仕様のカスタマイズを要請してきました。過去の経験に基づけば、仕上げ工作機械の直径は最小のR 角度のおよそ70% を占めます。用途について入念に確認を行った後、オーエスジーは切削長さが15 mm、全体の長さが70 mm、クランプの長さが42 mm で、オイルホールを持つ特殊品を提案しました。

切削条件のパラメータは、切削速度250 m/ 分、1 刃ごとの送り速度0.0125 mm、軸方向の切込み深さ0.05 mm、径方向の切込み深さ0.05 mm に設定されました。特殊品製作したエンドミルのオイルホールで10% のクーラントを使用することで、冷却効果があることは明らかでした。繰り返し試験を実施することで、特殊品製作したエンドミルは一貫した性能を発揮できるようになり、Ra 0.5 からRa 0.6 という優れた表面仕上げを実現しました。この結果は顧客の期待を上回り、必要とされていた許容誤差を余裕を持ってクリアするものでした。

新しい素材や技術が開発され、環境保護への関心が高まっていることで、自動車産業は近年、急速に進化を遂げています。より複雑で高度な機械加工に対応するため、特殊品対応することによって、最大限の成果を期待しているメーカ各社にソリューションをもたらすことができます。オーエスジーはこれからも、今までに培った経験、専門技術、創造性を駆使することで、コンパクトで軽量、かつ高い効率性を発揮する製品を開発していきます。そしてエネルギー車両とより環境にやさしい輸送システムの進化に貢献すべくメーカ各社と協力して参ります。

オーエスジーがお届けする用途別ソリューション

オーエスジーは、製造業に向けた強力な標準品ラインナップだけでなく、用途に特化した特殊品の数々を供給しており、顧客はニーズに応じて採用し、より優れた効率性と耐久性を誇る製品として加工、製作することが可能となります。オーエスジーには、長きにわたりスクロールコンプレッサのメーカに向けて専門的な切削工具と用途に応じたソリューションを提供してきた実績があります。