高速で力強い工具性能

NI-SFT スパイラルタップ耐熱合金に対して工具寿命が安定

Vis Huang  |  OSG Shanghai

ワイルドスピードSKY MISSION(別名、Furious 7、Fast & Furious 7)は、2015 年に公開されたアメリカのアクション映画でありワイルドスピード(the Fast and the Furious)シリーズの7 作目です。前作のワイルドスピードEURO MISSION(Fast & Furious 6)は、2013 年の公開から世界で約860億円以上の興行収入を上げました。Amazon.com が管理するオンラインデータベースIMDb によると、ワイルドスピードSKY MISSION(Furious 7)の世界での興行収入は前作の2 倍近い約1600 億円以上で、シリーズ最高となりました。そして、ワイルドスピードSKYMISSION(Furious 7)は中国でも約420 億円の収益を上げ、中国映画市場では歴代最高の興行成績を達成しました。

当社はこの状況から、中国人の自動車に対する関心が高まっており、大衆文化や西側諸国の影響を受けて選ぶ車を変えていることを知りました。10 年前の中国人は、自動車を購入するときにまず外観を重視しました。しかし現在は、ターボチャージャーなどの高性能な最新技術を採用した車を求めています。

一般的なターボチャージャーの写真。

ターボチャージャーは、排ガスを利用してタービンを回し、混合気を強制的にシリンダー内に送り込んで圧力を高める、エンジンの補助装置です。この技術により小さなターボ付きエンジン1 回の加速と、ターボ付きではない大きなエンジンと同じ性能を実現します。例えば1.8T ターボチャージャーの性能は、同じ燃料消費量で2.4L エンジンと同じエネルギー出力を実現することができます。さらにターボチャージャーは重くならずにエンジンの馬力を高めることができ、高効率かつ小型で環境にやさしいため、自動車メーカーだけでなく運転手にも新しくて魅力的な選択肢となります。

ターボ付きエンジンは非常に効率が高く、驚くような速度で稼働し、自動車エンジンの寿命に影響するような非常に高い圧力や温度でも動作します。ターボチャージャーの過熱を防止するため、適切に冷却するための専用の油と水を供給する必要がある為、ターボチャージャーの部品は通常、熱安定性が高く、疲労や浸食に耐える性質をもつ耐熱合金で作られます。しかし、耐熱合金を加工することは簡単ではありません。

耐熱合金は通常、材料に高硬度、高じん性、低比重、高融点といった性質をもたらす鉄、チタン、クロム、ニッケル、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの元素を含有します。この合金の加工性は、S45C 炭素鋼の約5 ~ 20 パーセントです。現在の多くの排気ガスターボチャージャーは、加工中、摂氏600 度以上に達します。こうした耐久性のある材料を加工する場合、工具寿命が短いことが問題となります。ターボチャージャーのシェルを加工するには、タップ加工が必要ですが、タップは加工中、著しく摩耗します。従来のタップはこの厳しい切削条件において、1 つの工具で数個の穴しか加工できませんでした。

中国の天津のお客様は、ターボチャージャーを製造しています。中国のこの製造業者は、ターボチャージャー業界でトップクラスの企業です。同社のターボ付きエンジンは、優れた性能と長い寿命を実現する特殊な材料で製造されます。

機密保持の観点から、お客様の名称とターボチャージャー材質の詳細は開示できません。しかし、この材質に関して開示できることは、35 HRC より硬度の高い耐熱合金と同じ性質だということです。

ターボチャージャーシェルは、直径12 mm、深さ20 mm の穴をタップ加工する必要があります。この使用例では当初、オーエスジーを含む4 つの切削工具メーカーが参加しました。オーエスジーは入念に製品選定をした結果、お客様にNI-SFT スパイラルタップを提案しました。非コーティングNI-SFT は、耐熱合金向けに特別に設計したタップです。NI-SFT は、高速工具鋼HSSを使用して、耐熱合金に対する耐摩耗性を高め、欠けを防ぎます。さらに、NI-SFT は10°低ねじれ形状を採用することで剛性を高め、切りくずを効果的に取り除きます。

オーエスジーのNI-SFT は、硬度40 ~45 HRC のニッケル合金またはインコネル718 といった耐熱合金をタップ加工する際に高い性能を発揮します。

テストを繰り返しながら一週間試用しました。ターボチャージャーは非常に複雑なパーツです。最適な性能を得るには、ターボチャージャーの部品をすべて正確に製造しなければなりません。耐熱合金は高コストで、部品の廃棄にもコストがかかるため、このテストでは特に工具に対する信頼性が重要な決め手となります。同じ切削条件で、他メーカの加工穴数は平均380 個でした。それに対してオーエスジーは、1,000 個の穴を加工することができました。さらに重要なのは、オーエスジーがNI-SFT のテスト1 回ごとに、安定して約1,000 個の穴を加工することができるという、優れた信頼性を実証したことです。耐熱合金は非常に加工性の低い材料ですが、オーエスジーは安定した性能を保ち、お客様の期待を越えることができました。実際、その結果にお客様は非常に驚いていました。工具の性能を信頼することができるので、お客様は理がしやすくなり、製造コストを予測することができます。お客様がNI-SFTを選択するのは簡単なことでた。やはり誰でも、常に期待通りの十分な結果を出す工具を望むのではないでしょうか。

製造業では耐熱合金がますます広く使用されており、オーエスジーは長年、精力的に研究開発をしてきました。そして、お客様の使用状況に適した最適なソリューションも、自信をもって提案してきました。工作機械にオーエスジーの工具を装着すれば、当社工具の高速かつ力強い性能を実感することができます!