妥協しない

A-POT は、バリをなくし、工具寿命を倍にします。

Fernando Arzaluz  |  OSG Royco

MACIMEX 社は、1979 年、Grupo Quimmco の子会社として設立された、世界最大級の独立したクランク軸メーカーです。MACIMEX 社は、2 ~ 8 個のシリンダーから、重さ1.9 kg(4 lb)から42 kg(92 lb)のエンジンや圧縮機用の錬鉄や鋳鉄のクランク軸を加工することに取り組んでおり、その製品は、自動車産業、工業、農業、娯楽産業、海洋産業といった産業で幅広く使用されています。MACIMEX 社によると、同社は1年で百万個以上のクランク軸を製造し、その50 パーセントを世界中のお客様に輸出しています。

テナンゴデルバレーにあるMACIMEX 社の生産施設。

MACIMEX 社はテナンゴデルバレーで、毎日1,800 個以上のクランク軸を製造しています。MACIMEX 社はこの分野を先導する企業として、常に効率と品質の観点から製造工程の改良に取り組んでいます。同社は、クランク軸のフランジ側に全部で8 個の穴を開ける際のタップ加工を改善する穴開け加工について、オーエスジーに問い合わせました。クランク軸の材料は、硬度38 ~ 40 HRC の鍛鋼合金SAE 1438MV でした。MACIMEX 社は、送りと回転の同期を取る横型マシニングセンタを使用していました。穴径は9.5 mm で、穴深さは500 mm(貫通孔)です。切削速度を17 m/min とし、内部給油式の水溶性切削油剤を使用していました。

MACIMEX 社は、TiN コート付きM11x1.5 ポイントタップをさまざまな工具メーカーから入手して使用していましたが、平均工具寿命がねじ溝1,600 個分であり、その性能の低さに悩まされていました。工具寿命の判定はGP-OUT でしたが、MACIMEX 社とっては、バリの問題にも悩まされていました。他社の工具を使用した場合、1 日5 回の工具交換が必要で、装置あたりの費用は0.0475 ドル(米ドル)(約5.2 円)でした。

オーエスジーは、現地を訪れて使用状況を入念に評価した結果、A タップシリーズのA-POT M11x1.5(特殊品)の使用を提案しました。オーエスジーのAタップは、工具管理を簡単にし、幅広い種類の材料や用途で優れた性能を発揮するように設計された汎用タップシリーズです。このシリーズでは、スパイラルタップ(A-SFT)とポイントタップ(A-POT)を、幅広い種類の寸法で提供しています。このシリーズでは、多様な切削条件に対応するため、粉末ハイスHSS と、オーエスジーが特許を取得したV コーティングを採用することで、優れた耐摩耗性を実現しています。さらに、A タップシリーズは高速加工を可能にするため、切れ味を高めた独自の刃先形状を採用しています。Aタップシリーズは一般鋼で優れた性能を発揮するだけでなく、ステンレス鋼や軟鋼などの加工の難しい材料でも優れた性能を発揮します。

A-POT は工具管理を簡単にし、かつ幅広い種類の材料、用途で優れた性能を発揮するように設計されたオーエスジーのA タップシリーズの1 つです。このシリーズでは、スパイラルタップ(A-SFT)とポイントタップ(A-POT)を、幅広いサイズ展開で提供しています。

鋭利な刃先、不等リード溝、高い耐摩耗性により、バリの問題がなくなり、耐久性が2 倍以上となって工具寿命がねじ4,000 個分まで上昇しました。

装置あたりの費用は、0.0475 ドル(米ドル)(約5.2 円)から0.0166 ドル(米ドル)(約1.8 円)へと65 パーセント削減され、工具の交換は1 日1 回だけとなりました。この事例が示すように、大量生産に成功する秘訣は妥協しないことです。